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パソコンで最もよく使うソフトの一つが、インターネット閲覧ソフト(ブラウザー)。何年間も同じものを利用している人も多いだろうが、最近は機能の充実やセキュリティーを売りにした新製品が相次ぎ登場している。いずれも無料でインストールできるので、ネットの“衣替え”を試してみてはどうだろう。
米モジラ財団が六月に発表した「ファイヤーフォックス3」は、従来製品と比べて表示速度を三倍に高速化したのが最大の特徴。世界で最もよく利用されているマイクロソフトの「インターネット・エクスプローラ(IE)」と比べると六―九倍以上の速さとされる。
他にも使い勝手を高める機能が盛り込まれている。例えばアドレスの入力欄にキーワードを入れると、お気に入りや過去のアクセス履歴から候補のサイトを検索して表示するので、見たいページにたどり着きやすい。
セキュリティー対策では、ウイルスを感染させるマルウエアサイトや個人情報を盗み出そうとするフィッシング詐欺サイトを開いた場合、警告を促すメッセージを表示する。フィッシング詐欺サイトの検出はIEの最新版でも対応しているが、マルウエアには対応していない。
「アドオン」と呼ばれる追加機能も特徴。ユーザーが開発した五千以上の機能を駆使すれば、ニュースを自動で取得したり、ウェブページを画像として保存したりできる。
ファイヤーフォックス3と同時期に公開されたノルウェーのオペラソフトウエアの「オペラ9・5」はメールソフトを内蔵している。ウェブページを見ていても、すぐにメールの受信・作成画面に切り替えられる。
メールを送信すると送り先をアドレス帳に自動登録するなど、既存のメールソフトよりも使いやすい。
国産ブラウザーにも目を向けたい。ルナスケープ(東京・港)とフェンリル(大阪市)は、いずれも自社の掲示板などを通じて、日本の利用者の声を反映した製品作りを進めている。
ルナスケープが今月公開した「ルナスケープ4ポケット」は、ブラウザーとお気に入りをUSBメモリーに記録できる。そのメモリーを使えば、外出先のパソコンでも自分のネット環境を再現できる。「自分仕様」を手軽に持ち運びたいユーザーのニーズにこたえた。
見た目にこだわっているのも国産ブラウザーの大きな特徴。フェンリルの「スレイプニル」やルナスケープでは、ボタンや枠部分の大きさ、色を変えられる。「携帯電話の待ち受け画面のように、気軽に着せ替えできる」という。
新しいブラウザーを利用する上で注意したいのは、IEで見られることを前提にサイトの多くが作られている点。
ウェブページを制作する場合、どのブラウザーでも閲覧できるようにするための基準があり、大手のサイトは大抵準拠している。ただ、すべてのサイトがそれにのっとっているわけではないので、場合によってはIE以外のブラウザーで閲覧すると、サイトが正しく表示されないこともある。
操作方法もIEとは微妙に違うことが多いので、当初は戸惑うかもしれない。ブラウザーを切り替えた場合、大半のソフトにはお気に入りを自動的に取り込む機能があるが、表示される順番が変わってしまうことが多い。一気に乗り換えるのではなく、まずは併用してみたうえで自分に適したブラウザーを選んだほうがいい。
▼登場サイトのアドレス
▽ファイヤーフォックス3 http://mozilla.jp/firefox/
▽オペラ http://jp.opera.com/
▽フェンリル http://www.fenrir.co.jp/
▽ルナスケープ www.lunascape.jp/
▽サファリ www.apple.com/jp/safari/